少し前の話になってしまいますが、先週私は選抜株式レースで3093トレジャー・ファクトリーを選択しました。「システムトレードの順張りで保有している銘柄です。損小利大で勝率は低いシステムなのでレース銘柄としては比較的リスクが大きいと思われますが、他に良い銘柄が見当たらないため、選択させて頂きます。」というコメントを添えて。

201908_3093トレジャー・ファクトリー

結果は-15.5%と大惨敗。
上の日足チャートの大きな陰線をつけた1日で、1か月間で積み上げたレース上の利益をほぼ食い尽くしていまいました。

もちろん、実売買も影響を受けています。仕掛けたのが随分前なので利食いにはなりましたが、大きな含み益が一瞬で消えました。3ヶ月の日足チャートも掲載しておきます。どこで仕掛けたかは内緒です(笑)。

201908_3093トレジャー・ファクトリー2

さて、ここからが本題。

私がシステムトレードに着手してからもう20年以上が経ちますが、少なくとも私の順張りシステムは逆張りシステムと比べて安定度が低いです。このブログでも何度か記事にしたことがありますが(逆張り vs 順張り等)、原因は「保有期間が長いから」の一言につきます。結果、どうしてもマーケットに生じる様々なリスクの影響を受けやすくなります。

もう少し話を具体的にしてみましょう。
順張りは利食いに適したタイミングがハッキリしないのです。

  • 含み益が一定以上になったら…
  • 株価が一定の水準以上になったら…

など、思いつく限りの手仕舞いを検証してみましたが、成績を劇的に向上させるようなルールが発見できていません。むしろ、上昇にはとことんついていった方が成績全体が良くなる、というのが現在の研究結果でして、私は下落基調を確認後に初めて手仕舞いするようにしています。結果、保有期間はどうしても長くなるという訳です。ちなみに、この下落基調を確認するタイミングには比較的有利と思われる独自の基準を設定していますが、今回のような急落には対応できません。

比較的短期の期限がハッキリしている順張りトレードはないものだろうか?
逆張りシステムをある程度構築し終え、上昇相場に強い全く別のシステムを作ろうとしていた当時の私がまさに考えていたことです。そこそこの順張りシステムなら作れるのですが…。

答えは意外なところにありました。
私がシステムトレードと並行して実践していたイベントトレードが、極めてそれに近かったのです。
まず、イベントトレードは比較的上昇相場に強く、下落相場に弱い傾向にあります。つまり成績は順張りに似ています。そして、何よりイベントトレードは期限が明確です。このブログでよく記事にする指数リバランス(コバンザメ投資)をはじめ、株主優待、IPO/PO等、どれも明確な期限がある中でトレード戦略を立てていきます。こっちを極めた方が早いんじゃないか…、そう考えた私は、

  • システムトレードの順張りは、逆張りシステムの補完と位置づける
  • 上昇相場で勝負するメインの戦略として、イベントトレードを位置づける

という方針を立て、資金管理を含めて工夫を重ねていきました。

些細な事と思われるかもしれません。が、比較的短期の期限が明確にできるというのはトレード戦略を立てる上で大きな優位性だと私は考えています。

システムトレードの順張りに頭を悩ませている方は、イベントトレードの併用を検討してみてはいかがでしょうか?順張りシステムの研究で見つけた値動きのちょっとしたクセが役立つかもしれませんよ。一方、既にイベントトレードメインで売買されていて、下落相場に足を引っ張られることに悩んでいる方は、システムトレードがその弱点を補完してくれるはずです。