経済的自立への道:株式、不動産、IT
お金を稼ぐのは難しくない!?
生々しいタイトルとなってしまいましたが、率直にまとめてみたいと思います。
私の周りには、一生会社員でいることをよしとせず、経済的な自立を手に入れて独立した友人知人が割と多くいます。その特徴は、
前進をやめない
となるでしょうか。成功しようが失敗しようが、何か結果を出してもそれに安住することなく、すぐに自ら次の目標を設定し、行動を始めます。中には、ポストや報酬の面で会社からかなり魅力的なオファーをもらっていた人もいますが、そういう人に独立を思いとどらせる方法はおそらくただ一つでして、「社長」以外にはありません(笑)。なぜなら、彼らは
お金を稼ぐ方法なんていくらでもある
と考えていて、お金よりもむしろ裁量を欲しているのですから。
もちろん、独立が一定のリスクを伴うことは百も承知です。が、「何とでもなる」と考えている方が圧倒的に多いのです。私自身、当初はリスクも感じていましたが、今では随分と見える景色も変わってきて、まさに「何とでもなる」と思っています。
具体的にどうやってお金を稼ぐか?
その方法は人それぞれですが、医者や弁護士といった専門職を除くと、概ね3つに集約されます。
- 株式投資
- 不動産投資
- ITビジネス
何か一つに取り組んでいるという方もいますが、並行して複数に取り組んでいる人の方が多いです。皆さんどこかでリスク分散を意識しているのかもしれません。これらは全てお金を稼ぐ方法ですが、それぞれ異なった特徴を持ち、注力すべきポイントも全く違います。
これからのキャリアを考えた時、独立を目指す/目指さないに関わらず、給与以外に収入の道を作っておくことは必ずや皆様の将来に役立つはず…、そんな思いでまとめてみます。特に若い方にはよくお考え頂きたいと思います。
株式投資
株式投資の特徴
まず、私が主戦場にしている株式投資から話を始めます。
資産(バランスシートの左側)として株式を保有して利益を出そうとする訳ですが、最大の特徴は、
時価が明確に分かる
ことです。「当たり前じゃないか」と感じる方が大半かもしれませんが、他の2つと比べてみて下さい。日々一定の流動性をもって取引され、価格(=株価)が単純明快で、その時々の損益がハッキリと数字にできるというのは、極めて大きな特徴なのです。さらに、成熟した取引市場を持つというだけならば為替や金利といった金融商品も同じですが、株式は
比較的大きな値動きの中で、非効率な価格形成(エッジ)が散見される
といった特徴も持ち、「運用資産が大き過ぎて株価を自分で動かしてしまう」といった悩みがないのであれば、圧倒的に利益が出しやすいはずです。ただし、大きな値動きというのはハイリスクであることも意味します。
株式投資のメリット、注力すべきポイント
何も工夫しなければ、株式投資は基本的にHighRisk/HighReturnです。しかし、ちょっとした工夫を加えてリスクをコントロールし、LowRisk/HighReturnに変化させることができます。私自身を例にすれば、
- 日々の株価を徹底的に分析する
- 非効率な価格が形成されている局面にフォーカスする
といった作業が「工夫」に当たります。
- システムトレード:株価分析→非効率な値動きを発見
- イベントトレード:非効率な値動きを発見→株価分析
と順序が逆になりますが、「時価が明確である」という特徴をフルに活用していることがお分かり頂けるのではないでしょうか。いずれにしても、極めて数学的な分析で戦略を構築可能なのが株式投資でして、数学や統計に抵抗のない方に適していると思われます。
ただし、複雑な数学はむしろ逆効果でして、どれだけシンプルな分析で本質にたどり着くか、が勝負を分けます。非効率な価格形成(エッジ)を具体的にイメージしつつ、シンプルな分析でその有無を判定していくことが重要で、最初は少しコツが必要かもしれません。
数学を利用すればするほど元の情報は失われ、人為的なノイズがのってきます。極端な話、複雑な数学の使用を前提にすれば、私はどんな株価チャートだろうが完璧に数式で表現することができます(簡単です)。しかし、できあがった数式に意味はなく、未来の再現性はほぼ0になるでしょう。生の株価データには多くの情報がつまっています。その情報を極力消さずに分析した方が、最終的に精度の高い戦略ができあがります。
株式投資のデメリット
付加価値を自身で作り出すことは一切できません。7203トヨタ自動車の株式を購入後、仮に自身で画期的なバッテリー技術を発明したとしても、株式の価値は7203トヨタ自動車のままです。仕入れが全て、ということになります。
又、基本的に作業は自分1人で完結することが多く、孤独を強いられます。人付き合いが苦手な方は、この点はむしろメリットと言えるかもしれませんが、人付き合いの好きな方は、何か別のことに着手したくなる日がやってくるかもしれません。
不動産投資
不動産投資の特徴
資産として不動産を保有することで利益を出します。資産価格の値動きは、株式に比べるとずっと穏やかだと言われており、概ねその通りだろうと私も思いますが、より本質的には、
正確な資産価格の変動は、売却するまで分からない
のが大きな特徴です。「公示地価、基準地価、路線価といった様々な価格が存在するではないか」と疑問に思われる方も多いのかもしれません。が、どれも「その価格で実際に売買できるか?」という問いには答えられない、妙な「価格」です。さらに土地の上の建物となると、様々な前提をおいて計算結果を出すことはできますが、同様の疑問が常につきまといます。
株式と違い、不動産は一つ一つが唯一無二の資産です。
同じものはこの世に二つとなく、買い手と売り手が合意した価格が全て
であります。あまり情報が公開されないため、断言は難しいのですが、株式よりもさらに非効率な価格形成が行われている可能性が高いです。
不動産投資のメリット、注力すべきポイント
不動産投資においても、仕入れ価格は投資のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。「買い手と売り手の合意」と書きましたが、当然人間のやることなので時には意外な価格がつくものも出てきます。そういった魅力的な不動産に出会える環境を作れるかどうか、つまり信頼できる不動産事業者との強固な関係作りが、不動産投資におけるスタートラインとなります。
又、レバレッジ(借金)との付き合い=銀行との信頼関係も重要です。他の投資と比べ、不動産投資は大きくレバレッジをかけることができます。もちろん、レバレッジはリターンだけでなくリスクも増大させますが、レバレッジをかけない不動産投資のパフォーマンスは相当に地味です。少しずつ実績を積みながら勝ちパターンを確立し、銀行との信頼関係を築き、有利なローンを提供してもらうのです。
他にも壊れた箇所を直したり、時には建物を一から建てたり、様々な業者との関係作りも発生するでしょう。こういった様々なプレイヤとの信頼関係作りが不動産投資の肝であり、ビジネスコミュニケーション力に長けた方に適していると思われます。
成功している不動産投資家の勝ちパターンは、本当に千差万別です。借り手となるお客様のイメージを明確にしながら、必要に応じて自身で物件に付加価値も加えます。資産に自分で付加価値をつけられるというのは株式投資にはない魅力であり、独立当初の私は不動産投資に参入するという計画も温めていました。
不動産投資のデメリット
最終的に私はITビジネスの方を選んだ訳ですが、その理由は、
儲かっているかどうか、売却するまで正確には分からない
の一点に尽きます。成功している不動産投資家にも話を聞いて周りましたが、
参考となる不動産価格の情報に補正を加え、想定するしかない
というのが結論です。株式投資を主戦場としている私はどうにも居心地が悪く感じてしまいましたが、不動産投資ならではの魅力に惹かれる思いもあり、落ち着いたらまた考えるつもりです。
ITビジネス
今回の記事で言及するITビジネスとは、自身でプログラムを書き、ビジネスの主体者としてサービスやアプリを立ち上げることを指しています。つまり、他人の請負仕事とは明確に区別して話を進めます。又、今はやりのYoutuberというのも、独自のメディア作りという点で一つのITビジネスの形だと思いますが、周りにそちら方面のプロがいないため、ここでは取り上げません。
ITビジネスの特徴
株式投資や不動産投資と圧倒的に異なるのは、既存の資産を仕入れるのではなく、
ゼロから資産(付加価値)を作っていく
点です。どれだけ素晴らしいサービスやアプリができたと思っても、お客様がつき、売上と利益が出るまでは自己満足であり、その資産に価値などありません。ゼロです。
一方、多くのお客様に支えられて売上と利益が成長していけば、「そのビジネスから収益を得られる」のはもちろんですが、資産にも価値が生じてきます。そして、ある一定のレベルを超えれば、出資者を募る/上場するといったように「資産そのものを売る」という選択肢も出てくるでしょう。
決して、プログラミングを勉強すれば儲かる、と言っているのではありません。プログラミングの腕を磨けば他人の請負仕事はできるようになりますが、自らのアイデアとリスクで主体者となって価値を作り出している訳ではありません。そして、ご想像の通り、実際に自分の手でゼロから価値を作り出すというのは、
相当に難易度が高い
です。内容によりますが、多くの場合しばらく売上も利益もほぼ0である、という前提で計画を立てるくらいがちょうどいいと思います。
ITビジネスのメリット、注力すべきポイント
こう書くと、お金を稼ぐ手段にはならないと思われるかもしれませんが、他の分野での起業と比べれば、ITビジネスによる起業はかなり恵まれています。それは初期投資の小ささ。ご興味のある方は、是非最近のプログラミング言語やクラウドサービスを触ってみることをおススメします。
「プログラミングなんて…」と感じる方は多いのかもしれませんが、ちょっとした語学でして、所詮コンピュータへの命令文を書いているに過ぎません。PythonやRubyといった最近のプログラミング言語は昔のC言語系と比べると随分とっつきやすくなっていますし、様々な無料のお便利ツールがInternet上に転がっています。全くの初心者はもしかしたら難しいかもしれませんが、学生時代にちょっと経験があるという方ならば、アイデアをプログラムに落とし込むハードルは随分下がっているのが実態です。
又、一昔前ならば、仮にプログラムを全て自力で書いたとしても、実際に完成したプログラムを運用しようとすると、
- データセンターのラックを借りる
- ハード、ミドルウェア、ネットワーク環境を準備する
- バックアップや監視等、運用の仕組みを整備する
といったことを一つ一つ積み重ねていく必要があり、○千万円単位の投資がかかることもザラでした。
それが、今やIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)と呼ばれるクラウドサービスによって、大きくハードルが下がっています。聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、その代表例はAWS(Amazon Web Services)です。私も実際に使ってみて驚きましたが、余程特別なことをしない限り、大抵のことは実現できるはずです。しかも、初期投資はほぼかからず、月額コストも大半を変動費化可能。この環境を見逃す手はありません。
人件費を除けば、キャッシュアウトという意味でのリスクはほぼ0と言っていいでしょう。世の中にまだ存在しない何か新しいものを作り出したいという野心やアイデアをお持ちの方には、本当にいい時代がやってきています。又、取り組んでいるうちに自分自身に技術スキルがたまり、請負仕事で稼ぐという選択肢をとれるようになるというのも、この方法の魅力かもしれません。
ITビジネスのデメリット
一口にITビジネスでの成功と言っても、人によってその規模も形態も様々でしょう。が、起業と言えるレベルを目指すのであれば、まず間違いなく
成功までの道のりは長く、確率も低い
です。キャッシュアウトという意味でのリスクは0に近くても、多大な時間を要するという点でのリスクは大きいと思います。
私の友人に、VC(Venture Capital)から資本を受け入れ、比較的大きな規模で勝負している人がいますが、計画通りに進まず、一旦社員を全員クビにし、自分1人で様々な請負仕事で食いつなぎ、何とか会社を立て直したという人がいます。文章にするとうまく伝わらないかもしれませんが、壮絶な経験をされており、精神的なストレスは相当なものだったろうと想像しますが、この方も「金を稼ぐだけなら難しくないよな」と仰っています(笑)。
既に書いたように、
- 人件費以外の初期投資はほぼ0
- 当面の間は売上も利益もほぼ0
というのがITビジネスによる起業です。仮に小さな規模で始めるとしても、最低限の責任として自身と家族の生活費は稼がねばなりません。手堅く進めるのであれば、その手当てはあらかじめ考えておいた方がいいかもしれません。
私の場合は株式投資があるので、既に準備は整った状態からのスタートです。周りの友人知人を見渡すといろんなパターンがあり、不動産投資で基盤を作っている人もいれば、プログラミング等の請負仕事で最低限の売上を立てながら進めている人もいます。
ただし、この”手堅さ”は私のダメなところかもしれません。時間を中心に考えるというのも非常に大事です。「悩んでいる時間が勿体ない」というのもまた究極の真理なのです。正直に告白すれば、私自身、もっと早く独立すべきだった/もっと早く起業すべきだった、と思うことがあります。
全てに共通していること
特別な才能は一切必要ないという点では、私も「お金を稼ぐことは難しくない」と本気で思います。誰にでもできることで、要はやるかやらないかだけの話です。が、同時に「余程の天才でない限り、それなりに時間がかかる」とも思うのです。
友人と話をしていて、周りからこんな言葉をかけられる、という話題になったことがあります。
- 株価が上がってよかったね
- 土地の価格が上がってよかったね
- エンジニア経験があってよかったね
もちろん、社交辞令で言って下さっていることは百も承知なんですが、確かに私もあまりいい気持ちはしません。言われた側が何を思っているか、私は代弁することができます。
“どれだけ努力したと思ってるんだ”
長期に渡って経済的な自立を維持している人は、決して運に恵まれただけではありません。運や縁はすごく大事です。が、少なくとも私の周りを見渡す限り、どんな方法であってもそれなりの時間と労力を投資してきた点は共通しています。私は苦労話がしたい訳ではありません。お伝えしたいポイントは、
何をするにせよ、時間がかかる
ということです。
会社員というのは、上にいく程ポジションの数が減っていきます。最後まで自分の思うようなポジションにつける確率はそれこそ天文学的に低い、考えたくない話ではありますが、誰しもがお分かりでしょう。さらに、一部の規制産業を除けば、同じ会社で働きながら定年退職を迎えるという「逃げ切りプラン」が許されるのは、おそらく我々の世代が最後だと思います。特に若い方は、自力で別のステージを作っておく必要があるように思えてなりません。
老婆心ながら、このブログを読まれている特に若い方々に一言申し上げて、今回の記事を終えたいと思います。
何に取り組むにせよ、早目に行動した方がいいです。
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