先週、私の田舎移住を後押ししてくれた人とのご縁の話を書いたところ、URLが列挙されただけのスパムコメントがつきました。内容を確認すると、国や地方自治体の助成制度がズラリ。

読者の皆様にも勘違い頂きたくないので、改めて立ち位置をハッキリさせておきます。私は地方移住を推進している訳ではありません。固定費削減、食を含めた住環境の向上といったメリットは確かにあります。しかし、私は一方で、

行政の助成金を頼った地方移住は絶対にしない方がいい

と思っています。会社員を続けるにしろ、独立するにしろ、都会の健全な競争環境の中に身をおき、ご自身のスキルとメンタリティの向上に励み、人脈を形成していった方が、必ずや血となり肉となって皆様の大事なキャリアにつながることでしょう。

「お前は移住してるじゃないか」と言われるかもしれません。
しかし、私は20年弱も東京で会社員をしていましたし、淡路島移住後も、資本市場やインターネットといったオープンな競争環境に身をおき、助成金制度やそういったお金に群がる業者/人とは別の道を歩んでいます。私にとって淡路島はあくまで拠点であり、ビジネスそのものが淡路島に依存している訳ではありません。
それでも時折、妙な話が耳に入ってくることはあるんですよ。正直、そんな時はモチベーションが下がります。地方移住の最大のデメリットではないでしょうか。思えば、私がこういった助成金を毛嫌いするようになったのは、淡路島移住後のことです。

世の中には、こういった助成金を渡り歩くことで生計を立てている人がいるということも、移住後に初めて知りました。もちろん、悪いのは制度そのものであって、制度を活用する人ではありません。しかし、助成金が永遠に続くなんてことはありえず、私には極めてリスクの大きな人生設計に見えます。又、そもそも、そういった制度を利用している方々で、「成功してるな、輝いてるな」と思える方に、私は出会ったことがないのですよ。

助成金をアテにした中途半端なビジネスモデルがうまく回る、そんな可能性は極めて低い。なぜなら、自分のお金をリスクにさらす覚悟、お客様に喜んでもらえるだけの付加価値を作り出すスキルやメンタリティ、この2つがビジネスを成功させる上での必要条件なのですから。つまり、覚悟とスキルを持った真っ当な人間が真剣にビジネスに取り組む時、”税金を頂こう”なんて発想が出てくるはずがないんです。税金は「もらうもの」ではなく「払うもの」として計算します

これまで何度か記事にも書きましたし、このブログの読者で、助成金に興味を持たれている方は少ないと思っていますが、特に若い方には改めて一言申し上げておきます。どれだけ魅力的な助成金があっても、それに頼った地方移住なんて考えず、まずは都会で自己研鑽に励みましょう。どうしても地方移住したい方は、十分なスキルとメンタリティを手に入れた後で考えればいいのですから。
もちろん、自らのリスクで何かにチャレンジしたい、その拠点として地方を考えているという方がいれば、是非一緒に切磋琢磨させて頂きたいと思いますし、このブログが参考になればうれしいです。Steve Jobsではありませんが、“Stay hungry, Stay foolish”であります。行政の助成金などに惑わされてはなりません。

という訳でして(笑)、申し訳ありませんが、私に移住助成制度の応援はできないのであります。