田舎移住の3つのデメリット
前回は東京でのサラリーマン生活と比較し、田舎移住生活のメリットを紹介させて頂きましたが、今回は一転して都会暮らしと比べた時にデメリットと感じる内容をまとめてみました。ネットもありますし、モノに不自由するということはまずありません。「独立」という要素も含め、普段私が感じていることを率直に紹介します。
運動不足
田舎では、どこへ行くにも車での移動が前提となるため、日常生活で歩くことが極端に少なくなりました。東京で会社員をしていた頃は、ほぼ毎日最低でも自宅とその最寄駅の往復、そして会社とその最寄駅の往復分は歩いていた訳で、結構大きな変化だったりします。
さらに私の場合は自宅の一室を職場にしているので、外出そのものが少なくなりがちです。なので、体力作りと気分転換を兼ねて積極的に出歩くようにしていますし、今年は淡路島のまだ行ったことのない場所に足を運ぶべく、登山やハイキングコースなど面白そうなスポットを地元の方から教えてもらっているところです。自営業者にとって「健康」は生命線ですからね。
エンターテインメントの変化
映画館、ミュージカル等の観劇、コンサート、スポーツ観戦といったエンターテインメントが田舎だと限られてしまうのは、容易に想像がつくかと思います。淡路島の場合、橋を渡るだけで神戸や徳島といった地方都市にアクセスできるので、あまり困ることはないように思いますが、日常的に観劇を趣味にしているような方だとやはり不自由を感じるかもしれません。
私の場合、東京在住時もこういったエンタメに足を運ぶのは年数回あるかないかだったので特に何とも思いませんが、一つだけとても残念なことがあります。それは、飲食店でお酒が飲めないこと。だって、やはり「どこへ行くにも車での移動が前提」なのですよ。お店がない訳ではありません。観光客をターゲットにしているのか、街を散策していると何やら雰囲気が良さそうな小さなお店を見つけることは普通にあります。しかも、
- 淡路島の美味しい魚や寿司を日本酒と一緒に…
- 淡路牛の焼肉やステーキをビールと一緒に…
- 淡路の食材を使ったイタリアンやフレンチをワインと一緒に…
すごくいい響きだと思いません?でも、私には全てかなわぬ夢なのです(笑)。
そんな話を地元の友人にしたら、先日車でお寿司屋さんに連れてってくれました。いや、ありがたいやら申し訳ないやら…。今度は私が運転手を務めさせて頂こうと思っています。
一方、田舎には都会にないエンターテイメントがあります。淡路島では既にパラセーリングのボートが海を走り回っていますし、釣りが好きな方にも最高の環境でしょう。このテーマは本当に人それぞれ、いろんな受け止め方がありそうです。
補助金施策によるデモチベート
田舎には手に職をつけ、自らリスクをとってビジネスに向き合う自営業者がいてポジティブな刺激をもらう一方、「補助金にたかった方が手っ取り早い」と考える業者や人も存在します。話を聞く度に、真剣にビジネスに向き合うのがバカバカしく思えてくることがあります。
私がどう感じようと、それで地方が潤うのなら何の問題もないのです。しかし、
- 補助金は懐に入れる
- 補助金を上回る税収を地方にもたらすことはない
という話ばかりで、成功事例を見たことがありません。失敗しても誰も責任をとることなく、延々と同じことが繰り返されます。地方でお金が循環しているならまだマシですが、地元資本でもない企業や都会からの移住者にお金をバラ巻く訳ですから、地方が疲弊するのはある意味当然とも言えます。
例えば、ここ淡路島にも維持費をペイできていないであろう建物が普通にありますし、有名なお笑いタレントを使った意味不明のプロモーションも実際に行われています。建設業者は儲かったでしょう。広告代理店や芸能事務所も儲かったでしょう。そして、コンサルタントを名乗る補助金ゲッターも…。しかし、地方には何も残らないか、負の遺産が残って維持に四苦八苦しているのが実態です。
又、今兵庫県の地域おこし協力隊を検索してみると、月額16万円という条件での募集が見つかりました(淡路島ではありません)。年収にして約200万円が3年間支払われ、都会から地方に移住し、将来起業して地域の活性化に貢献することが期待されているようです。
しかし、仮に地域活性化の志を持っていたとしても、受け取った補助金以上の税金を逆に納めない限り、実際には地方を利用して税金を食い物にすることになります。そして、ハッキリ申し上げますが、年間200万円を自力で稼げない方/自身でリスクのとれない方が、起業や独立を語るのは早過ぎます。商売の神様は大変厳しいお方なのです(笑)。真剣に起業や独立を考えるならなおのこと、まず他の手段で実力をつけるべきでしょう。残念ながら、この補助金にまみれた環境で中途半端な雇われ仕事をしても、独立に必要な実力、そしてメンタリティが身につく可能性は低いと思います。やる気のある地方の若者は、こうした空気を敏感に察知しているからこそ、都会へと出ていくのではないでしょうか。
このブログの読者でこういった施策に関心を持つ方はいないと思いますが(笑)、もし興味を持つ方がいれば、問題だらけの制度だと理解した上で、ご自身の大事なキャリアと時間をどう使うのか、得るもの/失うものをご自身でしっかり天秤にかけることをオススメします。
地方にはこうした補助金施策による妙な話があふれています。何もしない方がまだマシだと思うのですが、とどまる所を知りません。私自身はこういった施策とは距離をおき、別の道を歩むつもりですが、それでも決して良い気分はしませんし、納税意欲も下がります。
ご自身のリスクで起業や独立、そして田舎移住を検討されている方がいれば、是非ご連絡下さい。一緒に切磋琢磨させて頂ければと思います。
(補足)
田舎ならではの濃いご近所付き合いをデメリットに感じる方もいらっしゃるようです。私は移住前にアドバイスを下さった方がいまして、そういった付き合いの少ない地域に住んでおり、今では地元の方と友達になれると逆にうれしかったりします。
田舎のご近所付き合いを楽しんでおられる方、逆に苦労されている方、両方いらっしゃいますし、正直私にはよく分からないところです。
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