田舎暮らしとお金の話①:プロパンガス利用でも下がった光熱費
先日田舎暮らしに興味を持つ方からお金について質問を受ける機会がありました。生活費、そして雇用。せっかくなので、ブログ記事にもしておきます。それぞれのライフスタイルにもよるでしょうし、地域によって異なることもあるでしょうし、一概に断言することはできませんが、私自身の体験談として参考にして頂ければと思います。まずは光熱費から。
電気:関西電力
ここ淡路島は関西電力の管轄で、私も関西電力と契約しています。
原油価格の下落にもかかわらず、昨年6月に値上げ。「燃料費調整制度」といって、為替や原油価格等の変動を電気料金に反映する仕組みはあるみたいですが、この業界は何が本当なのか私にもよく分かりません。ただ値上げ後も妙なプロモーションメールはきますし、正直あまりいい印象はありませんね。普通の民間企業なら”値上げの前に販促費カット”であります。
ただ、田舎暮らしだから何かメリットやデメリットがあるかというと、特にないと思います。
(※追記:2017年7月、我が家は関西電力から新電力に切り替えました。ご興味のある方は新電力イーレックスへの切り替えをご覧ください。)
ガス:プロパンガスの供給業者探し
私が住んでいる地域では都市ガスが使えません。そう、プロパンガスです。プロパンガスは都市ガスに比べて熱効率がいい反面、コストは高い。私も東京在住時に一度だけプロパンガスのお世話になったことがありますが、ガス代が一気に高くなって驚きました。
オール電化は東日本大震災の経験からリスクが大きいと思っていましたし、IHクッキングヒーターは妻も嫌がっていました。我が家は床暖房を設置しようとしていたこともあり、「プロパンガスはヤバいかも…」と懸案の1つだったのです。
そこで、試しに複数のプロパンガス業者に相見積りをとることから始めてみました。電気や都市ガスと違い、プロパンガスは供給業者が複数います。もし競争による健全な市場があれば(出来レースじゃ意味ないですけどね)、私の条件に合う業者が見つかるかもしれない…。
で、結論から言うと、見つかったんですよ、信頼できるプロパンガス業者が。井本産業という会社です。
私も真剣にビジネスモードに入り、当時はまだ関東在住でしたが、交渉のために淡路島まで足を運びました。むやみに価格を下げてくれと言っても話は進みません。相見積りの結果を材料にして市場価格をよく勉強し、自身の要望をできる限り合理的な形にまとめました。一方、先方の話も伺って譲歩できることは譲歩しました。床暖房設置はガス利用の拡大を意味するので交渉が進めやすかったという面もありますが、何より先方の社長さんがビジネスマンとして信頼できる方だったことが大きいと思います(余談ですが、この社長さん、我が家完成時にわざわざ見に来て下さいました)。
いずれにしろ、こうして最終的に納得いく条件で契約することができました。
東京在住時と比べ、なぜか安くなった光熱費
さて、結果です。直近1年間の実績値をベースに、我が家の光熱費(電気+プロパンガス)の平均を計算してみると、9,800円/月となりました(夫婦2人)。夏はエアコンを使うので電気代が上がったり、冬は逆に床暖房を使うのでガス代が上がったり、デコボコはありますが、合計すると平均でこのくらいです。
もちろん、ライフスタイルによって変わってくるでしょう。が、一つ言えるのは、同じ我々夫婦2人が関東で生活していた頃の光熱費よりも安くなっています。これは私にとっても意外な結果でした。プロパンガスの条件交渉も効いているとは思いますが、それだけでは説明がつきません。
エネルギー価格の低下、住宅性能の向上(優秀な断熱材)、いろんな理由が考えられますが、エアコンの使用時間が減ったのが最も大きい気がします。ここ淡路島も夏は暑いですが、昼間以外は窓を開けていれば結構快適に過ごせるんですよ。田舎は日が暮れればしっかり温度が下がります。この記事も、エアコンはつけず窓を開けただけの部屋で書いています。今思えば、東京の夜の熱さは異常だった…。
補足:エネファームや太陽光発電等の省エネ商品について
我が家で利用しているのはエコジョーズのみです。「効率よくお湯を沸かす」というすっかり成熟した技術で、特に目新しいものでもなんでもありません。
当時、エネファームに補助金が山程ついてばらまかれていましたが、私はまだまだ未成熟な技術といった印象を持ちました。維持の面で良くない噂を聞いていましたし、補助金がなければ経済合理性もなかったと記憶しています。
太陽光発電も興味を持てませんでした。初期投資を回収するのに約10年。民間企業に勤めていた頃、最低でも5年、変化の激しい最近では3年程度で回収の目途がなければ投資に値しないという世界で生きてきた私にとって、10年は長過ぎます。又、電力会社の下請けという立ち位置も好みじゃありません。
ここ淡路島でも太陽光発電の施設が最近どんどん増えています。「エコ」という響きに飛びつくのは自由ですが、採算がとれるかどうかチェックした上でのことなのか、見ていてとても不安になります。国民全員に経済的負担を強いているにも関わらず、最近太陽光関連業者の倒産が増えています。一方、電力会社は絶対負けない仕組みになっている…。
そして、太陽光発電は本当に「エコ」なのでしょうか?正直、私は懐疑的です。太陽光発電パネルを作るには莫大なエネルギーが必要です。つまり、火力にしろ原子力にしろ、他の何かを燃やしています。又、廃棄するにもこれまた大きなエネルギーが必要です。人の眼に触れる都合の良いところだけを切り出して「エコ」と言われても…。
話がそれました。
次回は上下水道について書いてみたいと思います。
コメントを残す