淡路浄瑠璃:地元の方と一緒に楽しむ地域文化
先日、はじめて浄瑠璃を楽しむ機会がありました。
浄瑠璃という日本文化は言葉としては聞いたことがありましたし、淡路島の地域文化として人形浄瑠璃があることは移住当初に伺っていたのですが、実際に見るのは今回がはじめてです。
浄瑠璃の語りべを「太夫」というそうですが、今回の太夫は鶴澤友球さん。義太夫節三味線の人間国宝、鶴澤友路師匠の門弟の方です。三味線の伴奏と共に物語が進んでいくのですが、その表現は歌のようでもあり、物語を進めるナレーションでもあり、登場人物のセリフでもあり…、独特な世界観を今回体験させてもらいました。
物語の主人公は本能寺の変直後の明智光秀。誰もが知っている歴史物語で分かりやすく、しかも鶴澤友球さんが前半1時間を使って淡路島に浄瑠璃が根付いた歴史の説明から始まり、イベント参加者も一緒に物語に沿って合唱する(?)といった工夫をしてくれたおかげで、後半の浄瑠璃(本番)が自然と体に入ってきました。
場所は農カフェ八十八屋さん。
古民家を改装したカフェなのですが、その素敵な空間が浄瑠璃ライブの一体感を演出するのがまた不思議です。その名の通り、淡路島の農家/生産者に焦点をあてたカフェで、トマトのパンナコッタ、空豆と人参のドーナッツといったオリジナルスイーツがまた美味しく、何とも優雅な時間となりました。
このカフェ、実は我々夫婦が大変お世話になっているカフェでもあります。淡路島に移住の下見に来た時にも立ち寄りましたし、移住後もこのカフェで多くのご縁を頂きました。美味しいコーヒーを頂けるのもありますが、オーナー夫妻がとっても素敵な方々で、今やすっかりファンの1人です。
そして、今回もこういった地域文化を地元の方々と一緒に楽しめたというのがとてもうれしかったのですよ。この場に誘って頂いたこと、そしてカフェを見渡せば何人かおしゃべりを楽しめる地元の友人がいること、最近自然になってきましたが、移住者である我々をここまで受け入れてもらえるとは移住前には想像できませんでしたからね。わずか1年半前のことです。
会社員を辞めて自営業者となり、住んだことのない淡路島に移住し、一般的に見れば私はリスクのある道を歩んでいるのかもしれません。しかし、淡路島という好きな地に出会い、そこに住処を構え、地元の方々と交流し、時に都会に出ながら、自分のやりたいことをやる、こんな充実した時間はありません。
この先、余程の事がない限り、私はもう会社員に戻ることはないでしょう。自分の人生に自営業&移住という補助線を引いたおかげで、随分自由になれたような…。もちろん、自由には責任が伴いますが、これだけ充実した時間を過ごせるなら喜んで引き受けようと思いますね。
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