先日遊びにきた友人から、「島にないものって何ですか?」と聞かれました。予想以上に淡路島で快適に過ごしている私を見て不思議に思ったのでしょう(笑)。とっさに思いつかず、「一流ブランド品とかかなあ」と答えたのですが、改めて島にあるものとないものをまとめてみたいと思います。

基本的なインフラ:「衣」

島内にユニクロがあるので、そちらを利用しています。自営業者になった今、スーツを着ることもまずありませんし、カジュアルな服であればユニクロで十分と思ってしまう私です。
妻も普段はカジュアルな格好ですし、基本的に既に持っているお気に入りの服を着るのが好きな人なので、それ程新しい服を買うことはないですが、たまに小ぎれいな服(化粧品含む)を買う際はインターネットを活用したり、神戸に行くタイミングで購入しているようです。

島内で一流ブランドの品を入手するのは確かに困難ですが、1時間程度で神戸に出れますし、常に最新の流行のものが欲しいというのでなければ、あまり不自由はないんじゃないかと思います。

基本的なインフラ:「食」

食に関しては、淡路島ほど充実している場所はないんじゃないかと思うくらいです。野菜は産直市場、魚は地元のスーパーや市場等、いろいろ使い分けて島内でとれる新鮮なものを格安で入手しています。肉も淡路牛という神戸牛や松坂牛の種牛となっている美味しい牛肉があるんですが、こちらは少々値が張ります。

島でとれる生鮮食品以外は、イオンで買うことが多いでしょうか。トップバリューは好きじゃないですが、加工食品であったり、調味料であったり、イオンにはお世話になっています。今後ますます厳しくなる業界だと思いますが、潰れずに頑張ってほしいところです。

競争が少ない分、都会に比べると物価は高いとも聞いていましたが、島内でとれる生鮮食品は豊富だし、イオンやネットを活用すれば大抵のものは手に入るし、都会在住時に比べて生活費はむしろ安く済んでいるのが実態です。

基本的なインフラ:「住」

場所にもよるでしょうが、住環境はとてもいいです。豊かな自然に囲まれ、都会と違って夏でも夜になると確実に温度が下がります。実際、都会に住んでいた頃より光熱費が下がりました。エアコンの使用が大幅に減ったのが原因だと思います。

ただ、下水設備がまだ十分に整っておらず、我が家は浄化槽を設置しています。初期費に関しては補助金が出ましたし、維持費も含めたトータルコストは下水と同程度という感触です。今のところトラブルは特にありません。
又、水道代が高いです。現在は明石海峡大橋を利用して本州から水を調達している淡路島ですが、以前は水不足に悩まされ、島内のあちこちに”ため池”があります。その償却が終わっていない、というのが水道代が高止まりしている背景のようです。

土地の値段は(固定資産税含めて)都会に比べると格安ですが、島内には砂地も多く、地盤はよく確認された方がいいでしょう。賃貸物件はあまり詳しくないのですが、ざっと見る限り、言うほど安くないんじゃないか…という感想を持っています。
これから我が家は外構工事を始めます。島内の造園屋さんに頼み、放置して雑草だらけになってしまった土地を、きれいな庭にしてみようかと。メンテに手間はかかりますが、庭を楽しむというのも都会ではなかなかできない贅沢だ、と思うことにしました。楽しんでできればいいんですけどね。

最大の特長:神戸、大阪、東京、海外へのアクセスも簡単

基本的な衣食住のインフラは既に整備されているのが淡路島だと思います。他にも、病院/動物病院、書店/家電量販店/ドラッグストア、自動車ディーラー/カー用品店、野球場/サッカー場/テニスコート/プール/海水浴場…、大抵のものは島内にあります。

そして、何より淡路島は都会に近いのです。明石海峡大橋を渡って神戸まで約1時間、大阪や関空まで約2時間の距離です。東京だろうが、海外だろうが、どこへでも簡単に行くことができます。私が淡路島を選んだのは、この点に集約されると言っても過言ではありません。田舎、都会、そして海外を行ったり来たりしながら、仕事も遊びも満喫する…、私が目指すライフスタイルに適した場所はそうあるものではありません。

一方、島内にないものを改めて考えてみました。

島内にないもの:雇用

やっぱりこれなんじゃないですかね。田舎ならではの雇用はありますが、「多くの皆様の期待に沿うものであるか」という点で考えると正直疑問があります。明石、神戸、大阪に通勤している方は多くいらっしゃいますが、何がしか稼ぐ力を鍛えておくことで、選択肢が大幅に広がるのは間違いありません。

余談ですが、私がこの島に恩返しできるとすれば、それは雇用かもしれません。小さなビジネスでも、ちゃんと立ち上げることができれば、”0″から”1″を生み出すことさえできれば、後はいろいろな手が考えられるんですが、その難しさを私は会社員時代に十二分に味わっています。自身のスキル向上はもちろん、運とか縁とか、そういったものも大事になってくるでしょう。チャレンジを続けたいと思います。

島内にないもの:教育(大学)

島内には大学がほぼありません。なので、大学に進学される地元の若者は、島外へ出る方がほとんどです。淡路島の教育事情には詳しくありませんが、お子様がいる方には避けて通れない問題ですし、よく調べられた方がいいと思われます。

島内にないもの:娯楽施設等

映画が好きな方もいれば、歌舞伎/ミュージカル/スポーツ観戦が好きな方もいるでしょう。どれも島内に施設はなく、神戸や徳島に出る必要があります。私自身はごくたまに見に行く程度なので不自由を感じませんが、人によってはつらいかもしれません。
その他で個人的に感じるのは、無印良品があると便利なのに…というくらいでしょうか。ニトリは島内にありますけどね。まあ、この辺りは個人の趣味嗜好の問題でしょう。

最後に

移住者の視点で、淡路島にあるもの/ないものを改めてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

読者の中で、もし淡路島に興味を持たれた方がいらっしゃれば、是非一度足を運んでみて下さい。神戸観光のついでにでも(笑)。私も実際に神戸や大阪からのアクセスを確認し、島内を自分の足で歩き、この島のユニークな魅力に気付かされました。元々私は関西の出身ですが、子供も頃の淡路島はフェリーに乗らないとたどり着けない”海の向こうの島”だったのです。それが明石海峡大橋開通によって、大きく環境が変わったと言えます。