証券会社にマイナンバーを提出しなかった時の制限
証券会社へのマイナンバー提示
2016年1月以降、マイナンバーを提示しないと証券口座の開設はできなくなりました。又、2015年12月以前に開設済の証券口座についても、2018年12月末までにマイナンバーの提示が必要です。証券会社から連絡が入り、そろそろマイナンバーの提示手続きに着手し始めている方も多いのではないでしょうか?
私自身、これまでマイナンバーの提示は避けてきました。
提示したところで何かメリットがある訳ではなく、むしろデメリットの方が思い浮かびます。個人情報を管理されることにも抵抗がありますが、何しろお役所が作ったシステムですから、どうも信用できません。社会保険がいい例ですが、いい加減な運用が行われ、いつか不祥事が起こる可能性が高いと感じてしまいます。わざわざ妙なリスクを負いたくない、できるだけ距離をとっておきたい、というのが正直なところです(笑)。
マイナンバーの提示が必要なのは分かったけど、もし提示しなかったらどうなるんだろうか?
疑問に思った私は、口座開設している証券会社に片っ端から問い合わせてみました。具体的に質問した内容は、
2018年12月末までに手続きが必要な点は理解しておりますが、(自己責任の下で)提出しなかった場合、2019年以降貴社での取引は制限されますでしょうか?
というものです。
マイナンバーを提示しなかったら取引は制限されるか?
丁寧に回答を頂いた会社、そうでもない会社、マチマチですが、「証券会社が税務署に提出する法定調書にマイナンバーの記載が必要なので、2018年末までに提示して下さい」という基本スタンスはどこの証券会社も同じです。その点は誤解なきようお願い致します。
さて、「提出しなかった場合の制限」にポイントを絞り、各社から頂いた回答を下に列挙してみました。上から回答を頂いた順に並んでいます。
※くれぐれも最終確認は皆様でお願いします。
ライブスター証券 | 具体的な制限事項は現時点では確定しておりません。ただし、新規取引の停止(現物買付・信用新規建)等の制限をかけさせていただく可能性がございます。 |
丸三証券 | 現在のところ、マイナンバーを提供しないことで、罰則や取引が出来なくなるなどの規制はありません。 |
カブドットコム証券 | マイナンバーをご提出いただかなかった場合でも、「口座に対して規制がかかる」「取引制限」等の措置を行うことはございません。なお、上記のご対応につきましては、本年7月に日本証券業協会から通知された方針に基づくものとはなりますが、それ以前は「特定口座の閉鎖措置」が検討されておりましたため、今後またいつ方針が変わるか等不明な点はございます。また、マイナンバーが必須となる、住所・氏名変更、NISA口座の開設のお手続きを承ることができませんので、何とぞご留意いただきますようお願いいたします。 |
野村証券 | 2019年以降マイナンバーが未提供となるお客様への対応については、現時点、詳細が決まっておりません。詳細が決まり次第、弊社ホームページ等でお知らせする予定です。 |
SMBC日興証券 | 2018年12月末までにマイナンバーのご提出を頂けなかったことにより、お客様の取引が制限されることはございません。これは日本証券業協会を通じて関係省庁より示された見解に基づくものでございます。制限はございませんが、来年以降もNISA口座開設時等、マイナンバーのご提供が必須なお手続きもございます。 |
SBI証券 | マイナンバーをご提出いただかなくても、お取引は可能です。現在の税法では、取引制限等などの規定はありません。 |
松井証券 | 2018年12月末までにマイナンバーを登録していなくても、取引制限等は行いません。2019年以降も当社でお取引が可能です。 ただし、住所・氏名変更やNISA口座の開設・金融機関変更・廃止の手続き等を行う場合、マイナンバーが記載されている書類のコピーが必要です。 |
GMOクリック証券 | 期限までのご提出が確認できない場合の対応は、現在のところ未定でございますが、お取引に制限をかけさせていただく場合がございます。 |
楽天証券 | マイナンバー未登録の場合、現時点では、特段の制限がかからないこととなっております |
大和証券 | マイナンバーをお届出いただけない場合、利金や売却代金等の支払いが行なえない等の具体的な制限や罰則は規定されておりません。なお、今後、特定口座の開設やNISA口座のお申込み、住所変更等、「税」に関する申告や告知の必要な手続きの際にはマイナンバーをお届出いただく必要があります。 |
マネックス証券 | 期日までにお手続きが完了しない場合でも、特段、サービスのご利用に制限等はございません。 |
回答にも各社の個性が出ていますね。
「詳細未定」がライブスター証券、野村証券、GMOクリック証券。中でもライブスター証券とGMOクリック証券の回答は異質で、取引制限の可能性に言及しています。
しかし、この3社を除けば、「一部の手続き(NISA口座の開設等)を除けば制限なし」で一致。どうやら日本証券業協会から方針が通知されているようです。
そもそも、マイナンバーがあってもなくても、既に証券会社と税務署で証券取引の内容は共有されているはずです。マイナンバーによって具体的に何が変わるのか、イマイチ理解できていない私…。今回の回答を踏まえてどう対応するか、これからよく考えたいと思います。
個人情報と口座がすべてひもつくので不正ができなくなるのと、怪しいと思った時にいちいち金融機関に問い合わせなくても一発で資産把握できるからじゃない?
マイナンバーがなくても、名前と住所があれば個人情報と口座は紐づけ可能ですよね。又、たとえマイナンバーがあっても金融機関への問い合わせなしに資産の把握は不可能ではないでしょうか。
実際、ある証券会社の回答の中には、こんな文言もあります。
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なお、現時点でもお客様全ての取引は、その都度税務署に報告を行っておりますので、マイナンバーをご提出いただくことで、当社から税務署との間で行われるやり取りには、特に変更される点などございません。
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つまり、あってもなくても同じなんじゃないか…と私は思うのです。