選挙相場とアベノミクス
選挙期間中はなぜか株価が上昇することが多いんですが、今回も例外ではないようです。
先週の選抜株式レースで、システムトレードの順張り銘柄(8154加賀電子)を選んだのも、この選挙期間中の株価上昇アノマリ―が頭をよぎったからです。なんだかなあという気もしますが(笑)、結果的にはうまくいきました。
今週も引き続き順張りシステムでいこうかとも思いましたが、週末はもう投票日。
別の銘柄を選択させて頂いてます。
しかし、この株価上昇を使って経済政策の正当性を主張する政治家には、ものすご~く違和感を覚えます。
例えば、「21年ぶり株高、アベノミクス間違いない証拠」菅長官とか。株価というのは経済のかがみでも、景気の先行指標でもありません。このブログでも記事にした通り、株価を無理やり吊り上げても、日本経済を支える国内消費は低迷を続けており、株価と実体経済が別モノであることは明らかです。
そもそも日銀やGPIFを巻き込んで自分で株価をつり上げておいて、「経済のかがみ」だとか「景気の先行指標」ってよく言えるなと…。買う人が多ければ株価は上がり、売る人が多ければ株価は下がる、これ以上の真理はないと改めて思います。
そして、自身でつり上げた株価を眺めて「年金資産が増えた」って(笑)。
健全な投資家は、むしろ自身の売買が価格に影響を与えないように、市場の流動性とトレードのサイズに細心の注意を配るものです。例えば私の場合、各個別銘柄への投資金額の上限を日々の売買代金の0.1%に設定しています。どれだけ勝てると思っても、これ以上の資金を投資することは絶対にありません。なぜか?
それは、含み益=実現益ではないことを身をもって知っているからです。
利益を確定するには売らねばなりません。当たり前ですよね。買いポジションが多ければ多い程、最終的に利益を手にするためには量を売る必要が出てきます。つまり、仕掛ける時に自分で価格をつり上げたなら、手仕舞う時には自分で価格を崩すことを覚悟せねばなりません。市場の流動性やポジションサイズに配慮せず、含み益が出ただけで喜ぶ投資家など、まずいません。
GPIFというのは、世界の政府系ファンドの中でも極端に大きな規模を誇ります。一方、妙な政治が持ち込まれたために、流動性が失われつつあるのが今の日本の株式市場です。いわば、小さな市民プールにクジラが放流されたような状態にあります。
そして、日本はこれから少子高齢化を迎えます。つまり、今後売り需要(高齢者)は多く、買い需要(若者)は少なくなるでしょう。何が起こるか、もう明らかですよね。含み益を見て喜ぶのは自由ですが、実際現金を手にしてみたら損失が出ている可能性は十分にあります。「永遠に人口が増え続ける」という幻想によって年金制度は破たんしましたが、また同じ失敗を繰り返すのかと暗澹たる思いになります。
こうして日本人はますます消費しなくなり、日本人相手のビジネスはより一層難しくなり、日本市場に興味を持つビジネスマンは減っていくのでしょう。少なくとも私は、こういった政策ミスに黙って付き合うような人格者ではありません。現在いろんな意味で海外に軸足を持とうと本気で考えているところです。
私は典型的な無党派層ですし、特にどこの政党も応援してません。保守とリベラルの違いもイマイチ分からないくらいでして(笑)。ただ、アベノミクスにブレーキをかけるいい方法があったら、どなたか真剣に教えて欲しいと思います。
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