すっかりご無沙汰してしまいましたが、2週間かけて南インドを旅していました。今、Cochinの空港ラウンジでこの記事を書いています。

IT産業が盛んなBangaloreから入国し、かつて南インドを支配したヒンドゥー王朝の都Hampi、混沌とした町に壮大なミーナークシー寺院がそびえるMadurai、インド亜大陸最南端にある聖地Kanyakumari、そしてヨーロッパ諸国に支配されてきた港町Cochin等、鉄道とバスを使って周遊してきました。

私にとってインド訪問はこれが2度目です。もう20年も前になりますが、会社員となって比較的早い時期に北インドを旅しました。時間の経過もあるんでしょうが、前回の北インドと今回の南インド、同じ国とは思えないくらい文化やそこに住む人々に違いがあり、当初想定していたより随分快適に旅ができた気がします。南インドに住む方々は皆普通にいい人で、あまりの強烈なキャラクターを目の当たりにして喜怒哀楽が激しくなった前回のインド人とは印象が明らかに異なります。又、前回は最後の最後で酷い下痢と嘔吐に苦しみましたが、今回はそれ程体調を崩すこともありませんでした。

ただ、インドではあまり先の計画を立てても無意味なのは同じです。鉄道やバスの遅れは日常的ですし、自身の体調がすぐれない日もあれば、トラブルに見舞われて思うように旅が進まない日もありました。それでも、その時その時を一生懸命に生きるインド人と共に、自分も「今」に集中して旅を一歩一歩前に進める、ただそれだけのことがこれ程楽しいと思える国はそうはないと思います(笑)。

今回不思議と日本人と話す機会はなかったのですが、ロシア、イスラエル、中国、カナダ、ドイツ等、例によって多くの国々からの旅行者と出会いました。当然自己紹介が始まる訳ですが、仕事の話になって私が企業を辞めて独立した話をすると、必ず言われたのが”Congratulations!“。その確率100%です。社交辞令もあるんでしょうが、かなり新鮮に響きました。中には「俺も自身でビジネスに取り組んでるんだ、似てるね」と言われたこともありました。
実は日本で同じ話をすると、「勿体ない」「なんで辞めたの?」と言われることが多いんですよ。もしかしたらリストラされたと思ってる方もいるんじゃないかなあ(笑)。私が勤めていたのは海外にも認知があるグローバル企業。今回出会った旅行者にも話は同じように通じたはずです…。

自分の立ち位置を、また別の物差しで測れる機会というのは実に貴重ですね。引き続き、自分らしくやっていこうと思います。

Kanyakumari
(インド亜大陸最南端Kanyakumariの夕日と沐浴する人々)