法人設立:銀行口座比較、ネット銀行と信用金庫の併用
法人設立完了後、実際にオペレーションを開始するにあたって銀行口座が必要になります。が、個人口座と違い、法人口座を開設するのは意外と手間がかかりました。手数料も割高に設定されていますし…。今回はそんなお話です。
法人口座の手数料比較
まずどの銀行に口座を開こうか、意外と悩みました。淡路島にも都市銀行(三井住友銀行)の支店はありますが、早い段階で候補から消えました。法人向けのインターネットバンキングのようなサービスがありますが、何もしなくても月額手数料(最低2,160円)がかかります。取引銀行によって会社の信用が上がるといったメリットはあるのでしょうが、そういったことに興味のない私はネット銀行、ゆうちょ銀行、そして信用金庫の利用を検討しました。
法人を運用していくにあたって、私が銀行口座に求める機能を列挙すると以下のようになります。
- 給与支払い(毎月)
- 社会保険料支払い(毎月)
- その他支払いが必要になった際の振込(随時)
- ATMでの入出金(随時)
- 証券口座との連携(随時)
で、これらを軸に各銀行を比較してみるとこんなふうになりました(2016/5現在)。私にとってあまり重要でない違いは省略してありますので、最終確認は皆様でお願いします。
住信SBI | ジャパンネット | ゆうちょ | 淡路信用金庫 | 三井住友 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
月額利用料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 2,160円 | |
ネットバンク月額利用料 | 0円 | 1,080円 | ||||
ネット振込手数料(自行) ※給与支払に利用 | 1万円未満 | 51円 | 54円 | (*1)0円 | 0円 | 108-216円 |
1-3万円 | 51円 | 54円 | (*1)0円 | 0円 | 108-216円 | |
3-5万円 | 51円 | 54円 | (*1)0円 | 0円 | 216-432円 | |
5万円以上 | 51円 | 54円 | (*1)0円 | 0円 | 216-432円 | |
ネット振込手数料(他行) | 1万円未満 | 165円 | 172円 | 216円 | 324円 | 540円 |
1-3万円 | 165円 | 172円 | 216円 | 432円 | 540円 | |
3-5万円 | 258円 | 270円 | 216円 | 432円 | 756円 | |
5万円以上 | 258円 | 270円 | 432円 | 648円 | 756円 | |
ATM利用 | 3万円未満 | 108円 | (*2)162円 | 0円 | 0円 | ? |
3万円以上 | 108円 | (*2)0円 | 0円 | 0円 | ? | |
社会保険料の口座振替 | × | × | × | 〇 | 〇 | |
証券口座への即時入金(SBI証券) | ◎ | 〇 | × | × | × |
*1: 月5回まで
*2: 毎月最初の1回は無料(入金、出金それぞれ)
住信SBIネット銀行をメインバンクに
一見してみて、いかがでしょうか?
ネット銀行は個人でも愛用していますが、個人口座にはないコストが法人口座にはかかってきます。まあお互いビジネスですから仕方ないといったところでしょうか。それでも、私はまず住信SBIネット銀行に口座開設することを決めました。理由は比較表の緑で網掛けした部分。すなわち、
- 口座維持手数料のような月額固定費はなし
- 全般的に振込手数料が安い
- 法人口座でもハイブリッド口座が使え、いざという時にSBI証券での証券取引も簡単にできる
といったメリットがあるからです。ハイブリッド口座とは住信SBIネット銀行の普通預金でありながらSBI証券の残高にもなってくれる”ハイブリッド”な口座です。SBI証券での口座開設は別途必要になりますが、証券口座への入金/出金の手間が省けます。
ただし、住信SBIにも欠点はあります。比較表のピンクで網掛けした部分ですが、以下2点に集約されます。
- ATM入出金の度に108円の手数料がかかる
- 社会保険料の口座振替に対応していない
ATM手数料だけなら候補はいくつか出てきますが、社会保険料の口座振替に対応しているとなると実はなかなかありません。しかし、労使折半の社会保険料を毎月金融機関に出向いて処理するというのは実に面倒です…。
ネット銀行法人口座の弱点を信用金庫で補完
これをちょうど補完してくれる金融機関が信用金庫でした。
- ATM手数料は無料(土日祝日含む)
- 社会保険料の口座振替に対応
- 法人インターネットバンキングを申し込まなければ月額固定費はなし
という訳で、私は淡路信用金庫の口座開設のみ行いました。法人インターネットバンキングは月額基本料1,080円がかかりますが、不要であれば申し込まなければいいのです。これで極力コストをかけずに(月額固定費は0)、想定している運用が一通り可能になりました。よく地域の信用金庫と取引している会社を見て「なぜだろう…」と思っていた私ですが、少し理由が分かった気がします。どこの信用金庫もおそらく似たような手数料体系を持っていると思うので、関心のある方は足を運んでみることをオススメします。
今回設立した法人は、住信SBIネット銀行と淡路信用金庫の組み合わせで当面運用していく予定です。比較表を見ると、ゆうちょ銀行を給与支払の口座にすることでより節約も可能ですが、複数口座に資金が分散されて管理が面倒になりますし、私はやめておきました。次回、住信SBIネット銀行と淡路信用金庫、それぞれの口座開設の段取りをまとめてみたいと思います。
(※アフィリエイトリンクを利用しています)
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