昨日、GDP1次速報が発表されました。2014年10月~12月の実質GDP成長率は0.6%(年率2.2%)。プラスに転じたものの、民間予想(年率3.8%)を大幅に下回る内容です。

円安による日本経済復活はあり得ない

円安にすれば、輸出が復活して、日本経済はウハウハになるんじゃなかったのでしょうか?そういった報道を繰り返したマスメディアは反省すべきです。

なる訳ないんです。
以前、詳しく書きましたが、日本は輸出国家ではありません。極端な内需国家です。GDPの15%にも満たない輸出が仮に円安によるメリットを受けたとしても、GDPの60%弱を占める消費に対して円安(円高ではない)と消費増税により冷や水を浴びせている訳ですから。

しかも、優秀な輸出企業は、海外移転や金融技術の活用により、円高対応などとっくの昔に終えています。むしろ、円高を好機ととらえ、将来を見据えた海外投資を積極的に行っていたのです。
今、円安でメリットを受けるのは、このような対応もできない経営者の会社か、価格で勝負するしかない薄利のコモディティ商材を扱っているごく一部の輸出企業に限られます。もう市場から退場し、新たな産業に道を譲るべき人達だと私は思います。厳しいですが、それがビジネス。その程度のダイナミズムは経済の活性化に不可欠です。

アベノミクスの実態

アベノミクスとは、我々庶民の富を、そういった一部のコモディティ企業、そして公共事業の恩恵に預かる建設会社や広告会社に移転する政策、と言えます。我々庶民に持たせておいても仕方がないから、国が召し上げてばらまくという訳です。

通貨安でしか生きられないコモディティ産業を延命させる、公共事業によって全国各地に補助金を届ける、これが将来の日本のためになる投資になるならばそれでいいのですが、補助金で一時的に関係者が潤うものの、その後は何の役にも立たないどころか維持に四苦八苦する、いつものコースを辿る可能性が高そうです。

そもそも、国とは最も投資の質が低い主体です。民間の方が投資の質は高いのです。だって、国は失敗しても何の責任もとらずに税金を上げにかかりますが、民間は失敗すれば倒産ですからね。さて、アベノミクスの下で、民間は投資するでしょうか?

民間は最終需要(皆様の消費)を見込んで投資を行います。決して、金融緩和により金利が安いから投資する訳ではありません。
ポイントは、GDPと同じく、最終需要(皆様の消費)。結論は明らかであります。

アベノミクスに対する自衛策

我々庶民は、アベノミクスという経済政策に対して自衛しなければなりません。否定するだけでは何も起きないですからね。

私が持家取得(=不動産投資)に踏み切ったのは、「円のキャッシュポジションを放置しておいたら負ける」と考えたことも一因です。不動産投資自体に魅力は感じませんが、持家取得のタイミングとしては悪くないだろうと。正直、迷いがあった訳ですが、背中を押してもらったと思います。

又、日本での株式投資に加えて、米国の証券会社に口座を開き、ドル資産を作り始めています。いろいろ調べた結果、

  • マネーパートナーズ(日本のFX会社)で円をドルに両替
  • 上記のドルをCitibankに入金
  • CitibankからFirstrade証券(アメリカの証券会社)に送金
  • アメリカの超優良銘柄に投資

という方法をとっています。詳細はまた書こうと思いますが、今後のアメリカ経済に私は非常に期待しています。